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クロニクル 08

小説
たくみ
たくみ

たくみの専業時代の小説です

月に1話ずつ
区切りがいいので月収支の後に
UPする予定にしています。

会社がつぶれパチプロ生活を始めたたくみ。
その自由さ、稼ぎの良さに
魅了されたのですが、さて・・・
パチンコ編はもうちょい続きます。

今までのお話はこちらから↓

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君の背中

その男を見たのはその日だけではなかった。
気になったので店員に確認してみる
「あの若いのは業者?」
「いやうちの関係者じゃありませんよ」
との返事だった。
視線というのは感じるものだ。
よく台をのぞいてくる奴にキレる人もいるが、
気持ちはわかる。
それでも台を見てくるのならまだ許せるが、
視線の先が自分というのが気持ちが悪い。

今日も男の姿を確認した。
争いごとはゴメンだが、
確認するくらいはいいだろう。
そう思うやいなや
スッと席を立ち反対側から男に近づく。
すると自分に気付いた男は
驚いた様子で離れていく

「なぜ逃げる?」

男の肩に手を置いた瞬間、聞き慣れた声がした。

「水島君!・・・拓ちゃん、何してるの?」

なんで陽子がここに!?
意味がわからない。
水島君と言ったか?知り合いか?
ダメだ頭が回らない。

「拓ちゃん、就職活動してるの
って嘘だったの?ずっとパチンコ屋に
いるって水島君から聞いたわよ」

「水島君って?」

「この間、買い物してる時に会ったじゃない。
水島君は拓ちゃんのこと知ってたわよ。
よく行くパチンコ屋さんで見たことあるって」

この間の買い物の時にいた?
そうか、陽子の会社の人間か。
それは気がつかなかった。

「こっちがどれだけ心配してるか知ってる?
それなのに毎日パチンコなんて・・・」

陽子の言葉は止まらない。

しかしそんなに
責められるような事してるのか?俺は。
彼女の言葉をずっと聞いてると
なんだか気持ちが荒ぶってきた。

「うるさいな!そこまで
言わなくてもいいだろ!」

自分でもびっくりする
くらいの大きな声が出た。
このうるさい店で
近くにいた客が何事かとみてくるほどだ。
陽子とは今まで
ケンカなんてしたことはなかったし
大きな声をあげた事もない。
自分も自分の言葉に驚いて、言葉が続かない。
陽子はというと、一瞬驚いた表情をした後、
その大きな瞳が潤んでくるのが見えた。
その途端、
彼女は何も言わず外へ走り去っていった。

「陽子さん!」
水島が追いかけていく。

ちょっと待てよ!
追いかけるのは俺の役目だろ!?

そう自分の中では声がするが、
体は金縛りにあったようにまったく動かない。

それが解けてようやく
歩き出したのは外にではなく、
店の中に向かってであった。
海プロが心配そうにこちらを見ている。

彼に「大丈夫だ」
声にならない声でこたえた。
大丈夫じゃないのは
自分が一番よくわかっていたのだろう。

続く
【この作品はフィクションであり、実際の人物および団体とは関係ありません】

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